「21ジャンプストリート」は傑作だ。
ジョニー・デップの出世作であるドラマのリメイクだが、主役がジョナ・ヒルと
チャニング・テイタムなので当然アイドル映画ではない。
以前に比べれば格段に痩せたとはいえチビデブなヒルと、
男前だが頭の悪そうな表情が良い味のテイタムの二人がその魅力を
画面中にたぎらせた素晴らしいコメディ映画。
振り返ればこのジョナ・ヒルという男をかなり侮っていた部分があり、
実に恥ずかしいばかり。
アパトーギャング映画によく出てくるおもしろデブとしか認識しておらず、
ジョン・ベルーシ、ジャック・ブラックなどに続くおもしろデブの系譜ね、ワロス。と、
完全に舐めきっている時期が確かにあった。
芸風はジョンとジャックに比べかなり文系だけど。
「ハッカビーズ」にチョイ役で出ているときも
「ダスティ・ホフマンのコネコネ野郎め!」と思っていた。
「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」でも主人公のセス・ローゲンを囲む
大人になりきれない男たちのなかで浮くほどひときわ若く顔はまるで赤ちゃんのヒルが、
思いがけない妊娠に揺れる主人公に対して何を言おうとも
「お前はまだ子供だろが!」と勝手に憤慨していたものだ。
そんなヒルの印象を変えるきっかけとなった映画はやっぱり「スーパーバッド 童貞ウォーズ」
「スーパーバッド 童貞ウォーズ」で童貞デブ高校生を演じているヒルは当時23歳か24歳くらいだが、
全く違和感はない。
ヒルの持ち味である超ベビーフェイスの正しい利用法で、
これは「21ジャンプストリート」にも存分に活かされている要素。
残念ながら「スーパーバッド」ではマイケル・セラの草食力と
シンデレラボーイであるクリストファー・ミンツ=プラッセ(マクラビンYeahhh!)に
ヒルは食われがちだが、アパトーギャングの兄貴分でもありこの映画の脚本を書いた
セス・ローゲンの分身であるセス役をヒルは見事に演じきっていた。
メイキングでヒルは冗談でマクラビンのことを
「あいつ嫌いだ」みたいなことを言っていたのが印象的だった。
やはり素材としてのポテンシャルの高さではマクラビンのような人間には勝てないと感じ取ったのだろう。
その後、ヒルは「僕の大切な人と、そのクソガキ」で複雑なマザコン青年を演じ
「マネーボール」ではブラット・ピットの相棒を演じてアカデミー助演賞にノミネートされるほど
演技派な部分も見せ始める。
このままドラマ路線に転向するかと思いきやさにあらず、
やはりヒルはコメディ映画にすぐ帰ってくる。
自らが製作総指揮と単独主演を務めるコメディ映画「ピンチシッター」を送り出すのだ。
この作品はヒルのクリエイターとしての才覚の片鱗を見せてはいたのだが、
この映画は子供と絡むことが多いせいか表現の規制もあり突き抜けた笑いが少ない。
腹の底からは笑えない消化不良感が残る少し残念な映画となっていた。
しかし「ピンチシッター」は映画を作る感覚を掴むにはちょうど良い作品だったようで、
次作「21ジャンプストリート」では製作と脚本にも乗り出すことになる。
そもそも脚本家志望だったヒルにとっては遂に念願かなったりといった状況だったろう。
アパトーギャングの人たち(手前がジョナ・ヒル)
前半だけでもまだまだつづく…
ジョニー・デップの出世作であるドラマのリメイクだが、主役がジョナ・ヒルと
チャニング・テイタムなので当然アイドル映画ではない。
以前に比べれば格段に痩せたとはいえチビデブなヒルと、
男前だが頭の悪そうな表情が良い味のテイタムの二人がその魅力を
画面中にたぎらせた素晴らしいコメディ映画。
振り返ればこのジョナ・ヒルという男をかなり侮っていた部分があり、
実に恥ずかしいばかり。
アパトーギャング映画によく出てくるおもしろデブとしか認識しておらず、
ジョン・ベルーシ、ジャック・ブラックなどに続くおもしろデブの系譜ね、ワロス。と、
完全に舐めきっている時期が確かにあった。
芸風はジョンとジャックに比べかなり文系だけど。
「ハッカビーズ」にチョイ役で出ているときも
「ダスティ・ホフマンのコネコネ野郎め!」と思っていた。
「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」でも主人公のセス・ローゲンを囲む
大人になりきれない男たちのなかで浮くほどひときわ若く顔はまるで赤ちゃんのヒルが、
思いがけない妊娠に揺れる主人公に対して何を言おうとも
「お前はまだ子供だろが!」と勝手に憤慨していたものだ。
そんなヒルの印象を変えるきっかけとなった映画はやっぱり「スーパーバッド 童貞ウォーズ」
「スーパーバッド 童貞ウォーズ」で童貞デブ高校生を演じているヒルは当時23歳か24歳くらいだが、
全く違和感はない。
ヒルの持ち味である超ベビーフェイスの正しい利用法で、
これは「21ジャンプストリート」にも存分に活かされている要素。
残念ながら「スーパーバッド」ではマイケル・セラの草食力と
シンデレラボーイであるクリストファー・ミンツ=プラッセ(マクラビンYeahhh!)に
ヒルは食われがちだが、アパトーギャングの兄貴分でもありこの映画の脚本を書いた
セス・ローゲンの分身であるセス役をヒルは見事に演じきっていた。
メイキングでヒルは冗談でマクラビンのことを
「あいつ嫌いだ」みたいなことを言っていたのが印象的だった。
やはり素材としてのポテンシャルの高さではマクラビンのような人間には勝てないと感じ取ったのだろう。
その後、ヒルは「僕の大切な人と、そのクソガキ」で複雑なマザコン青年を演じ
「マネーボール」ではブラット・ピットの相棒を演じてアカデミー助演賞にノミネートされるほど
演技派な部分も見せ始める。
このままドラマ路線に転向するかと思いきやさにあらず、
やはりヒルはコメディ映画にすぐ帰ってくる。
自らが製作総指揮と単独主演を務めるコメディ映画「ピンチシッター」を送り出すのだ。
この作品はヒルのクリエイターとしての才覚の片鱗を見せてはいたのだが、
この映画は子供と絡むことが多いせいか表現の規制もあり突き抜けた笑いが少ない。
腹の底からは笑えない消化不良感が残る少し残念な映画となっていた。
しかし「ピンチシッター」は映画を作る感覚を掴むにはちょうど良い作品だったようで、
次作「21ジャンプストリート」では製作と脚本にも乗り出すことになる。
そもそも脚本家志望だったヒルにとっては遂に念願かなったりといった状況だったろう。
アパトーギャングの人たち(手前がジョナ・ヒル)
前半だけでもまだまだつづく…
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